国土を守っている農山村を
国民みんなで支えよう

 
私は国会議員時代、二冊の本を書きました。その大きなテーマは、“国土を守っている農山村を国民みんなで支えよう”ということでした。
 恵まれない農山村に住み、汗を流して働いている人たちのお陰で、日本の自然環境、水源、大気浄化、河川の維持、土砂災害の防止、緑と景観の保持などが保たれ、都市の産業・生活を支えています。川上に住んで黙々として働く人々がいるからこそ、川下の繁栄と安全があるのです。 その川上は、過疎、後継者不足、恵まれない経済・生活環境などによって存在の危機を迎えています。川上が駄目になったら、やがて川下も滅びます。
その危機を私は常に訴えてきました。県議会時代にも何度も提案しました。そして、この問題は国の政策として確立しなければどうにもならないと思ったことが私に国会への挑戦を決意させたのです。
 私の政治家としての出発の原点、 私の変わらぬ政治理念です。

4 失ってはならない日本の文化

 宮崎県は、「天孫降臨の地、日向の国、神武天皇東征の地」として、数々の神話伝説、古い歴史、伝統的文化芸能、史跡、遺跡に恵まれています。これらは日本発祥の地の貴重な潜在資源です。顕彰し活用しなければなりません。
戦後、日本は近代国家として目覚ましい成長を遂げました。しかし反面、古き良きものの多くを失いかけているのも事実です。 世界一安全な国という神話は崩れかけています。
都市では、家族、地域社会、世代間の交流・連帯の絆が失われ、義理人情は古典的世界に押しやられ、古来の伝統的匠(たくみ)もまた、失われつつあります。日本文化を失ってはならないのです。
「世界に通じる宮崎を創ろう」というのも私の政治理念の一つですが、私が「世界に通じる」というのは、一つには先端的、独創的、高度な技術に支えられたハイレベルのものであると同時に、二つには、伝統的日本文化を誇り、世界に発信し、世界に日本独特の文化の良さを認めさせるという、両面を併せ持つものを主張したいのです。