5 すばらしい田舎を創ろう −地方分権−
「地方分権」については、私は、深い思い入れがあります。
地方分権は、具体的な中味が専門的で分かりにくいということから、一般にはあまり注目されていませんが、地方分権は、実は、明治維新、第2次世界大戦戦後に次ぐ、地方行政の大改革なのです。県、市町村にとって、大きな意味を持っていることに注目しなければなりません。
地方分権の推進が国会で決議されたのが平成5年6月、以来、5次にわたる推進委員会の勧告を経て、平成12年4月の地方分権一括法施行までの期間、さらにその後の地方分権改革推進会議発足などの動きに対し、私は、参院国会対策委員長、自治大臣、内閣官房副長官、党総務会副会長などを歴任し、国会にあって地方分権推進問題の真っ只中にいました。
地方分権の本質は、私は、一つは国・県・市町村の関係が上下・主従の縦の関係から、横並び、平等・対等・協力の関係になったこと、一つは地方が、自主・自立の時代へ、智恵とアイディアの地域間競争時代に入ったことという、極めて大きな意味を持っていることに注目しています。
税制、財源の地方への移譲は地方分権とセット論になっています。自由競争の時代が地方自治にも到来したのです。
国から地方への時代、官から民の時代、地方に吹く新しい風、いろいろな言い方をされていますが、その根底にあるのが地方分権といっても過言ではないのです。
この風に乗り遅れては大変です。地方分権の本質を理解しないと、新しい風、新しい流れを捕まえることができません。競争に勝てません。
この智恵とアイディアの地域間競争時代をうまく捉え、「世界に通じる宮崎」を創りあげなければなりません。自由競争の時代に、キラリと光る地方行政を、九州の田舎に創りあげたいと思っています。
その具体的な方策として、私は県民の皆様に次のような“五つの立県政策”を提案したいと思います。
どうぞ県民の皆様の自由なご感想、ご意見をいただきたいと思います。早期に実現するものばかりではありません。中長期的に、県民と共に考え、県民のご賛同を得ながら国会の場で実現へ向けての政策を具体化していきたいと思います。また、関係先への働きかけ、誘致、民間活力の活用などにも努力したいと思います。
地方分権のための税財政の改革−三位一体改革論−もまだ多くの問題を抱えていますが、地方分権時代は必ず到来するでしょう。
そのときになって、あわてて考えてはいい知恵も浮かびません。今から、県民の皆様と一緒になって考えようではありませんか。
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”五つの立県政策”
★農林水産県 みやざき
■年間80兆円という日本の食料市場への挑戦 ■農業の大型化・法人化 ■3つ(技術・経営・販売促進)の総合指導センター(官・学・民総合)の設置■生産者と消費者の一体化政策 ■価格補償政策、コールドチェーンなど輸送農業地域の総合政策
★観光立県 みやざき
■神話伝説・史跡遺跡・伝統文化芸能など日本のふるさと資源を生かした観光の再生 ■建国歴史をテーマとした大型連続テレビの誘致 ■気候風土を生かし、アミューズメント、高度医療集積を伴う国民保養地の形成 ■全県公園化のための県民総運動の展開
★科学技術・医療立県 みやざき
■日向灘のメタンハイドレート研究開発基地の誘致 ■燃料電池関連産業など新エネルギー産業の拠点づくり ■産学官の一層の連携による県内産業の活性化 ■美しい自然環境の中での先端技術産業の育成 ■観光立県・スポーツ立県のための高度医療の集積 ■東洋医学と西洋医学の融合展開 ■こども医療、高齢者医療、性差医療、スポーツ医療などの集積
★教育立県 みやざき
■小中高一貫モデル校を各地域に設置 ■ふるさとを愛し、郷土を誇り、自信を持って地域社会に生きる人材の育成 ■教職員に民間人を登用するなど基礎学力・社会対応力の向上のための新しい政策の推進 ■実学理念の浸透 ■明日のみやざきを担うひとづくり
★スポーツ立県 みやざき
■恵まれた施設と自然を生かした国際的プロ・アマ一大キャンプ地の形成 ■各種スポーツ公式戦の誘致 ■アスリート集団の育成 ■観光再生と連動したアウトドアスポーツの推進 ■スポーツ医療センターみやざきの確立
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地方分権と市町村合併について
市町村合併が県内でも、盛んに議論されています。
市町村合併も、明治の大合併、戦後昭和の大合併に次ぐ、平成の大合併といわれ、地方行政にとって大きな改革をもたらすものです。
明治の大合併は、7万1千の集落を1万5千の市町村に再編成しました。昭和の大合併は、市町村数を約5分の1の3千500と、ほぼ現在の市町村数(平成14年4月3,218)に再編しています。平成の大合併は、政府は市町村数をほぼ3分の1に減らすことを目標としています。
国から地方へ、官から民への流れの上では、市町村合併は、地方分権推進の手段の一つです。地方分権の受け皿づくりが市町村合併の目的なのです。
市町村合併が目的のように議論されているきらいがありますが、目的は地方分権であり、合併はその一手段であることを認識しなければなりません。
なぜ今市町村合併が必要なのかは、極めて身近な問題だけに、皆さん方も良くご存じのことと思います。地方財政の極端な悪化、市町村の行政圏域と広域化した住民の生活圏・経済圏が一致しなくなったこと、人口問題などいろいろありますが、私は、市町村合併は地方分権の受け皿づくりにほかならないと思っております。智恵とアイディアの地域間競争時代を生き抜くためには、それにふさわしい力、能力が発揮できる自治体でなければなりません。まさに分権の受け皿の整備なのです。
皆さんもそんな視点で合併を考えて欲しいと思います。
なお、私の近著「都市ばかりが日本ではない」の第五部「対談 地方の分権と自立」も、ご参照いただければ有り難いと思います。
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