また、上杉氏の人間好きヒューマニズムが育ったのは、上杉家の人間関係が大きく影響していました。
上杉家では子供も大人も使用人も、等しく同じものを食べていました。それは、「人間同じように働いていれば、同じ物を食べて当たり前、食べたいという自然的欲求も、上下に関係なく同じである」という、両親、祖父母の考えがありました。この考えは自然と他のことにも影響していき、その平等意識は上杉家の家風となっていました。
この事はのちに上杉氏の人に対しての平等感、下で働く人達に対しての思いやりに繋がっていきました。
奥様のお話
「上杉の祖父母には子供がいなかったのですよ。それで上杉の父親は祖父の姉の子を養子としました。祖父母はそれはそれは上杉をかわいがってくれたようです。とても大切に育ててもらったと聞いています。ですから上杉はおじいちゃん子、おばあちゃん子なんですよ」
このように、厳しいながらも愛情溢れる家族の中で育った上杉少年は、明朗闊達で人にやさしく、また冒険心や探求心、好奇心の旺盛な少年へと育っていったようです。
(コピーライター 北村多喜子 平成14年12月) |